『風邪をひきやすい人と、ひかない人って何が違うの?』体表のバリアのお話。

人の体は見えないバリアで覆われている!?

寒くなってくると、すぐに風邪をひいちゃう人と、ひかない人がいます。

なんで私だけ風邪をひいちゃったんだろう?どこからもらったんだろう?と思うことがあります。

西洋医学的に言うと風邪は「ウイルスの侵入によるもの」ですが、東洋医学的には「邪気の侵入によるもの」と考えます。

そもそも邪気って何?っていう話になりますが、詳しくは薬膳lessonコラムでお話しますね。

本題に戻りますが、風邪をひくか、ひかないかの差は、中医学では「体表のバリアが充実しているかどうか」が関係すると考えます。(体表とは、皮膚だけでなく鼻や気管支の粘膜なども含まれます)

人の体は、外から邪気が入ってこないように体を守るために、目には見えないバリアのようなものに覆われています。

そのバリアのようなものを、中医学用語で「衛気」といって、身体を構成する要素である「気」の一つです。

中医学では、「気」が充実していれば、邪気の侵入を防いで、風邪をひかずにすむと考えられています。

ではこのバリアはどうやって作られるのか??

体表を覆う見えないバリアは、どうやって作られる!?

人は生まれた時から、親から受け継いだ「先天の気」というものを持っています。

先天の気は「腎」に蓄えられていて、生まれた時が最大で、年齢を重ねるにつれて少しずつ減っていきます。

「気」は人を動かすエネルギーのようなもので、減っていくと困るので、補充しなければなりません。

その補充の手段が、毎日の食事なんです。

毎日の食事によって後から作られる「気」を「後天の気」といいます。

食べたものは「脾」で吸収され、「肺」の呼吸によって取り込まれた「清気」と結合することで「後天の気」が作られ、「先天の気」と「後天の気」が「肺」へ送られて、「肺」の機能によって全身へ巡らされます。(簡単に言うと、毎日の食事と呼吸によって、バリアが作られるということです)

この気を充実させることで、体表のバリアが強くなり、風邪予防にもつながります。

体がよろこぶ豆乳スープ

寒さを感じるようになったら、とくに温かいシチューやスープが食べたくなります。

シチューやスープは、食材を柔らかくなるまで煮込むので、消化吸収もしやすく「脾」を労わるメニューでもあります。

豆乳は肺の機能を高めてくれる力もあるので、いつものスープに豆乳を入れてみるのも良いかも。

「脾」「肺」「腎」を養う具材を選んで、豆乳スープを作ってみました。

それでは、それぞれの効能を見ていきましょう。

<効能>
じゃがいも:気を補い、脾を鍛える。 帰経/胃・大腸
にんじん:脾を鍛え、血を補い、潤いをあたえる。 帰経/肺・脾・肝
玉ねぎ:胃のつかえをとり、気血のめぐりをよくする。 帰経/肺・胃
鶏肉:気を補い、温める。 帰経/脾・胃
舞茸:気を補い、五臓の働きを補う。 帰経/脾
しめじ:血を補い、肌荒れ、便秘解消。 帰経/腎・肺
ブロッコリー:腎を高め、脾を鍛える。 五臓の働きを補う。 帰経/肝・脾・腎
豆乳:潤いをあたえて、肺機能を高める。空咳改善。 帰経/肺・脾・大腸
バター:気血を補い、潤いをあたえる。 五臓の働きを補う。 帰経/肝・脾・肺・腎

・豆乳は、加熱しすぎると固まりやすく、分離しやすいので、強く煮立てないようにするのがポイント!
・バターは微寒性なので、なるべく少量にするか、代わりに味噌を入れてもいいですよ!※味噌は温性です。

気を補い、体を温め、肺、脾、腎を強くする食事を意識して取り入れるのが良いです。

体表のバリアを充実させて、風邪をひかない体づくりを目指しましょう!

目次